面接評価シートの作り方と項目例|社長の「感覚採用」を卒業する、A4・1枚の採点基準

面接評価シートの作り方と項目例|社長の「感覚採用」を卒業する、A4・1枚の採点基準

このような悩みを持っている方向けの記事です

  • 面接のたびに「良さそう」「微妙かも」で判断がブレてしまう
  • 社長と現場で評価が割れて、結局“声が大きい人”の意見で決まっている
  • すぐに使える面接評価シート(A4・1枚)と、項目例・配点例がほしい

この記事を読むと解決すること

  • 自社の採用基準を、誰が見ても同じ判断になる形で作れる
  • 面接の確認ポイントが整理され、雑談面接を卒業できる
  • 合格・不合格の理由が説明でき、採用の納得感と精度が上がる

この記事の要約

  • 面接評価シートは「合否の理由を言語化する採点表」で、勘を仕組みに置き換える道具です
  • A4・1枚で、スキル・スタンス・コミュニケーションの3軸に絞ると運用が回ります
  • 配点(重みづけ)と採点基準(1〜5点の定義)を先に決めると、面接官のブレが激減します
筆者について

はじめまして。当ブログを運営しているkoueiです。
私は人材業界に約10年間携わり、これまでに 中小企業から上場企業まで1,000名以上の人事担当者や経営者と直接関わりながら、採用支援・求人原稿作成・人材教育に取り組んできました。

営業トークに騙されないための『本音のハック術』を解説します。」

目次

面接評価シートとは何か、作り方の全体像と結論

面接評価シートとは何か、作り方の全体像と結論

面接評価シートとは、面接で見たこと・聞いたことを「点数と根拠」で残し、合否を同じ基準で判断するための採点表です。

この記事を読むと、A4・1枚で運用できる面接評価シートを作れます。さらに、すぐ使える項目例、配点(重みづけ)のテンプレ、質問例までセットで揃います。面接が「雑談で終わる」状態から、「確認すべきことを確認して判断する」状態に変わります。

ここでも結論を言い切ります。
個人の勘は否定しなくていいですが、勘だけで採用するとブレます。面接評価シートで勘を仕組みに置き換えると、採用の精度は劇的に上がります。理由はシンプルで、合否が「気分」ではなく「基準と根拠」によって決まるからです。

基礎知識|面接評価シートが必要な理由と、感覚採用のリスク

面接評価シートが必要な理由と、感覚採用のリスク

面接評価シートが必要な理由は、採用は会社にとって投資であり、失敗のダメージが大きいからです。中小企業ほど、1人の採用ミスが現場の空気や売上に直撃します。

感覚採用(基準なしでの判断)で起きやすいリスクは主に3つです。

  1. 属人化のリスク
    社長や面接官の体調、相性、先入観で合格基準がブレます。昨日なら合格、今日は不合格、みたいなことが起きます。つまり、同じ人でも結果が変わる状態です。
  2. ミスマッチの発生
    「感じがいい」「元気そう」で採っても、現場が求めるスキルや価値観とズレていたら早期離職につながります。早期離職は、採用費だけでなく教育コスト・現場の疲弊も生みます。
  3. 面接の形骸化
    評価基準がないと、何を確認すべきかが曖昧になります。結果、経歴の確認と雑談だけで終わりがちです。面接は楽しく終わったのに、入社後に「思ってたのと違う」が発生します。

ここで大事な言葉がバイアスです。
バイアスとは、無意識の偏りのことです。つまり「気づかないうちに、特定のタイプを良く見てしまう」「最初の印象に引っ張られる」みたいな状態です。面接は短時間なので、バイアスが入りやすい場面です。

公的な情報でも、採用選考は公平性・納得感が重要だと言われます(厚生労働省などの発信でも、適正な採用選考の考え方が紹介されています)。この記事では法律の原文は扱いませんが、実務としては「仕事に関係ある基準で判断する」ことが一番の防御です。評価シートは、その土台になります。

実践ガイド|面接評価シートの作り方をステップで解説し、項目例・配点例まで完成させる

面接評価シートの作り方をステップで解説し、項目例・配点例まで完成させる

ここからが本題です。面接評価シートの作り方は、難しく見えてやることは順番だけです。
最短で作りたい人は、ステップ2の表をコピペして、職種に合わせて配点を変えるだけでも動きます。ここはサボってもええよ、というラインも途中で示します。

ステップ1:人物像を「業務」と「成果」で分解し、評価項目の軸を決める

最初にやることは「どんな人がほしいか」を、フワッとした言葉で終わらせないことです。
おすすめは、人物像を業務と成果に分解するやり方です。

  • 業務:その人が日々やる作業(例:新規架電、見積作成、顧客対応、受発注)
  • 成果:その業務で出す結果(例:月の受注件数、ミス率、対応スピード、顧客満足)

営業職の場合

  • 業務:新規開拓、提案、見積、クロージング、フォロー
  • 成果:商談化率、受注率、平均単価、継続率

事務職の場合

  • 業務:受発注、請求、電話対応、データ入力、社内調整
  • 成果:ミスの少なさ、処理スピード、問い合わせ一次対応の質

この分解ができると、評価項目は自然に絞れます。逆にここが曖昧だと、評価項目が増えすぎて運用が死にます。

ステップ2:面接評価シートの項目例を「スキル・スタンス・コミュニケーション」で作る

A4・1枚の基本は、この3軸です。

  • スキル(能力):できること、経験、専門性
  • スタンス(姿勢/相性):仕事の向き合い方、価値観、継続力
  • コミュニケーション:伝える・聞く・整理する力

ここから、すぐ使える面接評価シートの項目例を提示します。A4・1枚に収めるため、項目数は各軸2〜3個が上限です。

面接評価シート(A4・1枚)項目例テンプレ

評価軸評価項目例(A4・1枚用)配点例5点の状態(合格に近い)3点の状態(平均)1点の状態(懸念)面接での質問例メモ欄(根拠)
スキル実務経験の再現性(同じ仕事を任せられるか)15具体例が数字で語れ、再現手順も説明できる経験はあるが、具体が薄い経験が曖昧で、成果も語れないその成果を出した手順を最初から最後まで説明してください
スキル問題解決の型(詰まった時に立て直せるか)10原因→仮説→行動→結果が筋道立つ行動はあるが振り返りが弱い他責・運任せで学びがない直近でうまくいかなかった時、どう立て直しましたか
スタンス仕事への向き合い方(粘り・学習・責任感)20継続して努力した経験があり、理由が言語化できる平均的で、強い根拠はない継続が苦手で、言い訳が多いしんどかった仕事を続けられた理由は何ですか
スタンス価値観の相性(会社の方針に合うか)15大事にしたい価値観が明確で、会社と重なる価値観はあるが、言語化が弱い価値観が不明、または合わない仕事で「これは譲れない」と思うことは何ですか
コミュニケーション傾聴と理解(質問の意図を掴めるか)15質問に対してズレずに答え、確認もできるだいたい答えるが、ズレることもある質問の意図を掴めず、話が散る今の質問を、あなたの言葉で言い換えるとどうなりますか
コミュニケーション論理性(話が整理されているか)15結論→理由→具体例で話せる具体例はあるが順序が乱れる感想だけで結論が出ないその経験を、結論から30秒で説明してください

ポイントは、採点基準に「根拠」が残ることです。点数だけだと後から振り返れません。メモ欄に、候補者の発言や具体例を短く残します。これが後で効きます。

ステップ3:職種別に配点(重みづけ)を決めて、採用基準をブレなくする

同じ評価項目でも、職種によって重みづけは変わります。ここを決めないと、面接官がそれぞれの価値観で勝手に配点を頭の中で変えます。つまり、ブレます。

職種別の配点テンプレ(合計100点の目安)

  • 営業系:コミュニケーション40点、スタンス35点、スキル25点
  • 事務系:スキル40点、スタンス35点、コミュニケーション25点
  • 技術系:スキル50点、スタンス25点、コミュニケーション25点
  • 接客・サービス:コミュニケーション45点、スタンス35点、スキル20点

配点の決め方は簡単です。
その職種で成果を出すために、最初の3か月で必要なものを優先します。
採用でよくある失敗は、「将来性」で採って、今必要なことができずに現場が崩れるパターンです。

将来性は大事ですが、まず現場が回る配点にしてな、というのが実務のコツです。

加えて、足切り(最低条件)も決めておくとさらに強いです。
例:合計70点以上で合格候補。ただし「スタンスが2点以下が1つでもあれば再検討」など。
足切りがあると、点数のごまかしが効かなくなります。

ステップ4:面接質問例を評価項目に紐づけて、聞くことを固定する

面接が雑談になる最大の原因は、「質問が場当たり」なことです。
解決策は、評価項目ごとに質問を固定すること。質問が固定されると、比較ができます。

すぐ使える質問テンプレ(項目に紐づく形)

スキル(実務経験の再現性)

  • その成果は、具体的に何をしましたか。順番に教えてください
  • 数字で言うと、どれくらい改善しましたか(件数、期間、割合など)
  • それを別の環境でも再現するなら、最初に何から始めますか

スキル(問題解決)

  • 直近で困ったことは何で、原因はどう考えましたか
  • 仮説を立てた後、どんな行動を取りましたか
  • その結果、何が学びになりましたか(次にどう活かしますか)

スタンス(向き合い方)

  • しんどい状況でもやり切った経験はありますか。何が支えでしたか
  • フィードバックをもらった時、どう受け止め、どう改善しましたか
  • チームで衝突した時、あなたはどう動きますか

スタンス(価値観の相性)

  • 仕事で大事にしたい価値観は何ですか
  • 逆に、これは合わないと感じる働き方はありますか
  • 会社を選ぶ基準は何ですか

コミュニケーション(傾聴)

  • 今の質問を、あなたの言葉でまとめるとどうなりますか
  • 相手の要望が曖昧な時、どう確認しますか
  • 分からない時は、どう質問しますか

コミュニケーション(論理性)

  • 結論から30秒で説明してください
  • その理由を3つに分けるなら何ですか
  • 具体例を1つ挙げるとしたら何ですか

注意点として、仕事に関係ない領域を深掘りしすぎるのは避けます。
つまり、評価項目に紐づかない質問はしない、が基本です。これだけで面接の品質は上がります。

注意点|面接評価シート作り方でよくある間違いと、複数面接官のブレ対策

面接評価シート作り方でよくある間違いと、複数面接官のブレ対策

ここは現場あるあるを先回りします。面接評価シートは「作る」より「運用」が難しいからです。

よくある間違い1:項目を増やしすぎて運用が死ぬ

最初に張り切って、10項目以上にする会社が多いです。ほぼ確実に続きません。
忙しい現場では、面接後に記入する時間はせいぜい5〜10分です。A4・1枚に収めるのが正解です。

削り方のコツは2つです。

  • 重複している項目を消す(例:主体性と行動力は同じになりやすい)
  • 質問で確かめられない項目を消す(例:人柄が良い、みたいな曖昧語)

教科書には細かく書かれがちですが、実務は少数精鋭が勝ちです。ここはサボってもええ、というよりサボった方が回ります。

よくある間違い2:採点基準が曖昧で、結局「好き嫌い」に戻る

「1〜5点」と書いてあるだけでは意味がありません。
各項目で、5点と1点の状態を文章で定義します。さっきの表のように「5点=数字と手順が語れる」など、行動で書くとブレません。

つまり、採点は感想ではなく観察です。
観察できる言葉に落とすと、誰が見ても同じ判断になります。

複数面接官の点数が割れるときの集計ルール(これを決めないと揉めます)

社長と現場で割れた時に、毎回会議が長引く会社は多いです。そこで必要なのが、先に決めるルールです。

おすすめの集計ルール(そのまま使えます)

  1. まず全員が点数をつけ、メモ欄に根拠を書く(口頭議論の前に)
  2. 最終点は平均点にする(Aさん80、Bさん60なら平均70)
  3. 足切り項目を優先する(例:スタンス2点以下があるなら要再検討)
  4. 乖離が大きい時は、点数ではなく根拠メモの事実確認から入る
  5. 最後に「入社後に伸ばせる点」と「伸ばしにくい点」を分けて判断する

ここで重要なのは、点数の議論から入らないことです。
点数は結果で、理由が本体やからです。根拠を見れば、誤解や思い込みが減ります。

効率化|面接評価シートの運用をラクにする方法(ツール・外注は選択肢)+PDCA

面接評価シートの運用をラクにする方法(ツール・外注は選択肢)+PDCA

面接評価シートは、作って終わりではなく、回して改善して完成します。
ただ、忙しいのも分かります。最低限の運用ルールと、改善のやり方をまとめます。

手作業でも回る「最低限の運用ルール」

最低限これだけでOKです。

  • 面接前:面接官で配点と足切りを共有する(5分でOK)
  • 面接中:メモ欄に、候補者の具体発言を短く残す(言い切りで)
  • 面接後:10分以内に採点を確定する(時間を空けると印象が改ざんされます)
  • 保管:合否に関わらず、同じ形式で保管する(後の改善材料になります)

運用のコツは「面接直後に書き切る」です。翌日に回すと、記憶が雑になります。

採用後に答え合わせして改善するPDCA(1か月・3か月が目安)

PDCAは難しく考えなくていいです。答え合わせだけです。
つまり、採用した人が活躍しているかを、評価シートと照らして見るだけです。

おすすめの見直しタイミング

  • 入社1か月:オンボーディング(立ち上がり)の差を確認
  • 入社3か月:現場での成果・周囲評価を確認

見直す観点(これだけでOK)

  • 活躍者に共通して高かった項目は何か → 次回の配点を上げる
  • 早期につまずいた人に共通して低かった項目は何か → 足切りを検討する
  • 当たらなかった項目は何か → 思い切って削る(削る=悪じゃない)

このサイクルが回ると、採用基準が自社仕様に育っていきます。A4・1枚のまま、強くなります。

面倒ならツールやプロ相談もアリ(押し売りなしで選択肢として紹介)

ここまで読んで「やることは分かった。でも時間がない」と感じるのは普通です。
選択肢としては、採用管理ツール(評価入力を統一しやすい)や、採用の設計をプロに相談する方法もあります。特に、面接官が複数いて評価が割れやすい会社は、最初だけ外部の型を入れると早いです。

ただし、ツールを入れる前に大事なのは、今日作ったA4・1枚の基準です。基準がないと、ツールに入力するだけで終わります。順番は逆にしないでください。

まとめ|面接評価シートの作り方と項目例の要点3つ

面接評価シートの作り方と項目例の要点3つ

配点と採点基準(1〜5点の定義)と集計ルールを先に決めると、面接官のブレが激減します

面接評価シートは、合否の理由を言語化し、勘を仕組みに置き換える採点表です

A4・1枚で、スキル・スタンス・コミュニケーションの3軸に絞ると運用が回ります!

最後までご覧いただきありがとうございました。
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