技は盗むな、動画で残せ。職人の『勘』を30秒のスマホ映像に変える、失敗しない技術伝承術

技は盗むな、動画で残せ。職人の『勘』を30秒のスマホ映像に変える、失敗しない技術伝承術

このような悩みを持っている方向けの記事です

  • 熟練者の「いい塩梅」が言葉にできず、新人教育が属人化している
  • 若手に「なぜですか?」と聞かれて空気が悪くなり、早期離職が続いている
  • 動画が良いのは分かるが、編集や機材を考えるだけで手が止まっている

この記事を読むと解決すること

  • スマホ1台、編集なし、1本30秒で「見れば再現できる動画」を量産できる
  • ベテランのプライドを傷つけず、むしろ敬意を形にして協力を引き出せる
  • 技術が「人の頭の中」から「会社の資産」に移り、引退しても残り続ける

この記事の要約

  • 編集を禁止し、テロップなし音声ありの1発撮りに固定する
  • 1本30秒、1本1工程の「30秒ルール」で、見る側の負担をゼロに近づける
  • 「教育」ではなく「アーカイブ」として頼み、ベテランに監修者になってもらう
筆者について

はじめまして。当ブログを運営しているkoueiです。
私は人材業界に約10年間携わり、これまでに 中小企業から上場企業まで1,000名以上の人事担当者や経営者と直接関わりながら、採用支援・求人原稿作成・人材教育に取り組んできました。

営業トークに騙されないための『本音のハック術』を解説します。」

目次

技術伝承 動画とは何か(定義と結論)

技術伝承 動画って、めっちゃ簡単に言うと「職人さんのコツを、スマホの短い動画にして残すやつ」です。
それも、ちゃんと使える形で。撮って満足、になりがちやから…いやこれ、ほんまによくあります。

ここで出てくるのが「暗黙知」と「形式知」です。

暗黙知は、本人が当たり前すぎて説明できないコツです。つまり「なんとなく分かる」「身体が勝手に動く」みたいなやつです。
形式知は、言葉や図にして共有できる知識です。つまりマニュアル化できるやつです。

現場が詰まりやすいのは、暗黙知を形式知に変えるところです。
ベテラン本人は「言語化?無理無理、身体が覚えてるねん」って感じですし、若手は若手で「いや理由を…」ってなります。そら噛み合わないですよね。

なのでこの記事でやりたいのは、ムリに言語化しきることじゃなくて、動画でズルく(いい意味で)すっ飛ばすことです。
スマホで30秒。編集なし。1発撮り。これで十分いけます。

ルールはこの3つに固定します。迷いが減るほど続くからです。

・編集しません(完璧を目指すほど止まります)
・30秒で切ります(長いと見返されません)
・「教育」じゃなく「アーカイブ」として頼みます(協力が得やすいです)

この3つを守るだけで、「撮ったけど誰も見ない動画」から「困ったらこれ見たらええやん」に変わります。
まあ現場によって多少アレンジは出るかもやけど、基本線はこれで崩れにくいです。

なぜ今「動画マニュアル」が効くのか(必要性と放置リスク)

技術が属人化してる現場って、引退が近づくほど空気がじわっと重くなりませんか。
若手は聞けない。ベテランは説明できない。で、間に入る人が疲れる。これ、あるやんな…ってやつです。

放置するとどうなるか。
ざっくり言うと、事故・品質ブレ・納期遅れ・離職、がセットで起きやすくなります。

技術が曖昧なままだと、若手は毎回「これで合ってるんかな…」って不安を抱えます。
不安が続くと、ミスが増えます。注意されます。萎えます。辞めます。
いや、書いててしんどいですけど、こういう流れ、珍しくないんですよね…。

じゃあなんで動画が効くのか。
理由はシンプルで、文章で落ちる情報が、動画だと残るからです。

音、リズム、力の入れ具合、手首の角度、視線の動き。
このへん、文字にしようとした瞬間に「いや無理やん」ってなります。
動画なら残ります。しかも現場のリアルな音って、めちゃくちゃヒントになります。打撃音とか、切削音とか。テロップを入れるより「音を残す」ほうが価値が高い場面、普通にあります。

逆に、動画で失敗するパターンもだいたい決まってます。

・1本が長すぎて見られません
・どこを見たらいいか分からないです
・撮りっぱなしで、探せないし、使われないです

ここを全部つぶすために「30秒ルール」と「編集禁止」を採用します。
次からは、現場で回るように手順に落としていきますね。

動画マニュアル 作り方(30秒ルールで失敗しない手順)

ここは、悩むほど止まるので、手順を固定します。
「うちの現場に合わせて考えよう」とすると、たぶん一生始まりません。
まずは型で走らせて、ズレたら後で直す。これでいきます。

ステップ1:ベテランの巻き込み方(教育ではなくアーカイブで頼む)

最初に必要なの、撮影技術じゃないです。頼み方です。ここ、ほんまに肝です。

ベテランに「教えてください」って言うと、負担に聞こえることがあります。
本人は悪くないんですけどね。忙しいし、今さら言語化もしんどいし。

なので、こう言います。

この技、後世に残したいです。記録として撮らせてください。あとで監修だけお願いします

ポイントは「教えて」じゃなく「残したい」です。立場が「先生」じゃなく「監修者」になります。
これ、プライドを守りつつ、むしろ敬意が伝わります。

さらに一言添えるなら、これです。

「◯◯さんの技が、会社の資産になります」


いや、こう言われて嫌な人あんまりいないです(もちろん人によるけど)。

ステップ2:撮る工程の切り分け方(1本1工程の設計)

30秒に収めるには、工程を細かく切ります。
コツは「新人が迷うポイント」で切ることです。

たとえば「ネジ締め」でも、締め始め、締め終わり、トルク判断、角度合わせ…って迷いポイントは分かれます。
これを1本に詰めると、結局見返されません。見る側がしんどいからです。

切り分けの基準は、これだけで十分です。

  1. 新人が止まる(手が止まる、目が泳ぐ)
  2. 品質がブレる(人によって結果が変わる)
  3. 事故につながる(危険、ケガ、クレーム)

この3つに当てはまるところだけ撮ります。
全部撮ろうとすると確実に止まります。なので、最初は少なくてOKです。回り始めたら増やせばいいです。

ステップ3:撮影の型(アングル・音・セリフ・手元の見せ方)

撮影の型も固定します。おすすめは「手元8割、顔2割」です。
再現に必要なのは顔じゃなくて手の動きやからです。

撮影ルールはこんな感じです。シンプルです。

・スマホは横向きにします
・手元が画面の中心に入る距離を固定します(近すぎると全体が分かりません)
・環境音は消しません(音が情報になります)
・テロップは入れません(編集しないためです)
・ベテランの声を入れます(短い言葉で十分です)

ベテランの声は長い解説じゃなくて、判断基準だけ言ってもらいます。
「音がこうなったらOK」「ここが沈んだら止める」「この色になったら次」みたいなやつです。
30秒に収まる一言が入るだけで、価値が跳ね上がります。

ステップ4:声かけテンプレ(若手が見て再現できる言い方)

「身体が覚えてるから」は、若手には情報ゼロに聞こえます。
これを短い言葉に変換します。テンプレはこれです。

見るポイント → OKの状態 → NGの兆候

例を出します。

「刃先を見ます。粉が細かく一定ならOKです。粉が大きくなったら押しすぎです」

「音を聞きます。カンカンならOKです。ボコッと鈍い音が出たら角度がズレています」


「手首の角度です。ここから動かさないのがOKです。動いたら力が逃げます」

こういう短文は動画に乗せやすいです。
文字起こしまでしなくても、声で残せば十分です。

ステップ5:保存・検索できる形にする(命名ルール/フォルダ設計)

撮影できても、探せないと使われません。ここで詰みます。
なので保存ルールを先に決めます。ここも「最初だけちょい頑張る」ポイントです。

おすすめは、フォルダを「工程」で分けて、ファイル名を「工程_判断基準_日付」にします。
たとえば「バリ取り_音が一定_20260102」みたいにします。これだけで検索性が一気に上がります。

さらに効くのがQRです。
棚や機械にQRを貼って、スマホで読み込むと該当動画が開くようにします。
つまり「スマホをかざせば、その作業の正解が見える」状態です。これができると新人の質問が減ります。ベテランの呼び出しも減ります。全員が楽になります。

30秒動画の設計テンプレ(これを埋めれば迷いにくいです)

撮影前に、最低限ここだけ埋めます。これが「中身のない動画」を防ぎます。

工程(1本1工程)目的(何を再現させるか)映す場所(どこが主役か)ベテランが言う一言(判断基準)長さファイル名例
ネジ締め(締め終わり)締めすぎ防止手元+ネジ頭ここで音が変わったら止めます20〜30秒ネジ締め_音が変わる_20260102
バリ取り(刃の当て方)角度の固定刃先+材料端粉が細かいならOKです20〜30秒バリ取り_粉が細かい_20260102
焼き(火入れ)色の見極め食材表面+火この色で引き上げます15〜25秒火入れ_色で判断_20260102
包丁(引き方)刃の軌道手元+刃全体手首はここから動かしません20〜30秒包丁_手首固定_20260102

この表の「目的」「映す場所」「一言」を先に決めるだけで、動画が一気に使える形になります。
撮影がブレにくいです。

最低限のチェック(撮った直後に10秒で判断します)

チェックは3つだけで十分です。

・何を再現させる動画か、1文で言えますか
・見るべき場所が画面で分かりますか(主役が映っていますか)
・OK/NGの判断基準が音声で入っていますか

これを満たせば合格です。完璧は狙わなくて大丈夫です。
回すことが最優先です。ここ、ほんまに大事です。

よくある間違い・注意点(現場で止まりやすい落とし穴)

完璧主義で止まります(編集しない前提にします)

一番多い失敗は「良い動画を作ろうとして止まる」ことです。
編集、テロップ、BGM、カット割り…って考え始めた瞬間に詰みます。現場は忙しいので続きません。

なので禁止します。編集は禁止、テロップも禁止です。
その代わり「撮影の型」と「30秒ルール」だけ守ります。これで十分価値が出ます。

目的がブレて「中身のない動画」になります(見る人の行動を固定します)

撮って満足する動画は、だいたい目的がないです。
対策はシンプルで、動画の目的を「新人が次に何をすればいいか」に固定します。

悪い例は「作業風景を撮っただけ」です。
良い例は「この音になったら止める」「この色で引き上げる」みたいに、次の行動が決まる動画です。
判断基準が入ってる動画は、教育コストを下げます。

項目を増やしすぎて運用が止まります(最低限に絞ります)

「全部撮ろう」は破綻します。これもほんまによくあります。

削り方は、さっきの3基準に戻すだけでOKです。

・新人が止まる
・品質がブレる
・事故につながる

ここに当てはまらない工程は、当面撮らなくてOKです。
ここはサボってもええです。回らない仕組みは、存在しないのと同じなので。

見解が割れたときのルール(正解動画の決め方と更新手順)

複数のベテランがいると「俺はこう」「いや違う」が起きます。
これを放置すると、若手が混乱します。ここ、地味に効いてきます。

決め方は、次の順が安定します。

  1. 品質が安定するやり方を優先します
  2. 安全性が高いほうを優先します
  3. 速さは最後にします(速さは慣れで上がります)

動画には「監修者名」と「更新日」を残します。
テロップは入れませんが、ファイル名やメモ欄に書けば十分です。
更新は年1回でOKです。変わった工程だけ撮り直します。

効率化の提案(最低限の運用ルールと改善サイクル)

撮影はスタートです。運用が回って初めて資産になります。
ここ、分かってるけど難しいんですよね…。だから最低限に削ります。

手作業でも回る最低限ルール(撮影後10分以内に保管まで完了します)

最低限はこれだけで十分です。

・撮るタイミング:新人がつまずいた直後に、その場で1本撮ります
・撮る人:現場リーダーか若手のうち1人に固定します
・記録は最小限:表の3項目(目的/映す場所/一言)だけにします
・保管は即時:撮影後10分以内に共有フォルダへ入れます
・保存先は1つ:全員が見られる共有フォルダに統一します

保存先が増えると終わります。
LINE、個人スマホ、複数クラウドが混ざると、探せなくなります。必ず1つに統一します。

採用・定着まで見据えた活かし方(新人導線に組み込みます)

動画は新人教育の教材になります。教材があると、入社初期の不安が減ります。
不安が減ると、定着率が上がります。早期離職がきつい会社ほど効きやすいです。

導線はこんな感じで作れます。

・入社初日:安全系の30秒動画だけ見せます
・1週目:毎日1本ずつ「よく止まる工程」を見せます
・2週目以降:現場のQRで都度見返す習慣をつけます

「分からなければ動画を見てから聞く」という文化ができると、ベテランの負担が減ります。
若手も聞きやすくなります。空気も良くなりやすいです。

入社後の答え合わせ(1か月/3か月で動画を改善します)

PDCAって言うと急に重くなるので、ここでは「答え合わせ」って呼びます。
やることはこれだけです。

・入社1か月:新人に「分かりにくかった動画」を3本だけ挙げてもらいます
・入社3か月:品質ブレが出た工程の動画を撮り直します(必要なものだけです)

動画の良し悪しは「再現できたか」で決まります。
再現できなければ撮り直せばOKです。まあ、撮り直しって言っても30秒ですしね。

状況によっては外注・プロ活用も選択肢です(必要な人だけ)

ここまでのやり方は、編集なしで社内運用できるように設計しています。
なので基本は自社で回せます。

ただ、現場の課題って技術伝承だけじゃ止まらないこともあります。
若手が辞め続けてる、受け入れが弱い、現場が疲れてる…。こういう状況だと、動画だけ整えても追いつかない場合があります。

採用はできたのに早期離職が続いている場合は、入社後の受け入れ設計を先に整えるほうが効くことが多いです。
必要なら、時間を買う選択肢としてプロ活用もありです。

まとめ(要点3つ)

・技術伝承 動画は、暗黙知を30秒で切り出して会社の資産にする方法です
・編集は禁止、1本1工程、判断基準を音声で入れると「使われる動画」になります
・運用は「保存先統一」と「1か月/3か月の答え合わせ」だけで回せます

今日からの最短アクションは、この3つで十分です。

・新人が止まる工程を3つだけ選びます
・ベテランに「アーカイブとして撮らせてください」と頼みます
・30秒で1発撮りして共有フォルダへ入れます

▼ 自分でやるのが面倒なら、プロに頼るのも手です
今回の手順は慣れれば簡単ですが、時間はかかります。
本業に集中したい方は、必要な部分だけ外注するのも選択肢です。

最後までご覧いただきありがとうございました。
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